大山コース

山頂といえば突起を想像してしまいますが、大山は栃木県営牧場の中にある、標高1158メートルの小高い丘です。
アプローチは、リフト乗り場がある高原ハウスがスタートになります。
ただし、バスで来た場合は、バス停と高原ハウスの距離があるのと、高原ハウスへの急坂を登らなくてはならないので、コース入口まで車道を歩いた方が無難です。
ここでは一応、高原ハウスからのコースを説明します。
まずは案内板にしたがって「ちびっこゲレンデ」の斜面を下ります。ゲレンデが尽きたあたりから、丸太で固めた歩きやすい階段になります。この辺は6月中旬までツツジの花を楽しむことができます。
階段を下りきると、今度は有料道路をくぐるようにしてトンネルがありますので、ここを通過します。
このトンネルは大雨になると山から土砂が流入するとみえて、コースの土とは異なった色の土も目につきます。
道はさらに下り続けます。
なにしろ、標高1300メートルのリフト乗り場を出発して、標高1158メートルに登る(?)わけですから、下りが長いのは当たり前ですね(笑)。
スタートして20分ほど歩くと、木柱に「ツメタ沢」と書かれた大きな沢に出ます。沢は涸れていて、普段は水の流れはありません。
ガレ場になっていますので、注意して渡りましょう。
尚、ここは本来なら「合柄橋(ガッカラバシ)」と表示すべきところ、何かの手違いでこの先にある「ツメタ沢」と反対になってしまったようです。
「合柄橋」の次が「ツメタ沢」ですが、ここの表示は「合柄橋」となっています。
二つの沢を過ぎるとコースは緩い登りになります。特に展望があるわけではなく、しばらくの間、単調なコースに付き合いましょう。
突然、コースを遮るような鉄柵にぶつかります。
この鉄柵の向こう側が県営の牧場になっていて、放牧している牛が逃げ出さないようにしているだけなので、柵の脇を通って進みます。
今度は鉄条網が張られたところに出ますが、ここには鉄条網をまたぐような形に梯子がかけられているので、登って下ります。
鉄条網を超えると道は急な登りになり、すぐに再び鉄柵にぶつかります。この柵の内側が牧草地になっています。
牧場全体が牧草に覆われたなだらかな斜面になっていますが、ちゃんとしたハイキングコースがあるわけではなくまた、大山への案内板があるわけでもありません。
実は、頼りになるものがなにもないのです。
観光協会や個人が改善要望を出しても、なにぶんにも相手は県。なかなか改善されないのは、行政の常とするところ。
困ったことですが、勘を頼りに歩くほかにありません。
そこで筆者が、大山山頂を探すコツを教えましょう。
牧場内はいたるところに鉄柵が設けられています。
鉄柵は斜面に平行なものもあれば、斜面と垂直なものもあります。
山頂を目指すには、斜面と垂直な柵を見つけ、その柵に沿って斜面を登ります。
柵が尽きたら再び斜面と垂直な柵を見つけ、同じように登ります。
斜面の一番高いところが大山山頂。
ヤッター、登頂成功!!、という気分にならないのが残念です。
ただ、ここから西側、赤薙山方面の展望は言葉に言い表せないほどの絶景。
帰りは山頂から柵伝いに少し下って、柵の隙間からいったんコースに出ます。
そのまま歩いて行くと、牧場の車が通るアスファルト道路にぶつかります。
ややもの足りない感はありますが、このコースしかないのでやむを得ません。
牛を眺めながらノンビリ歩きましょう。
尚、牧場内のアスファルト道路は途中、直進と左折する交差路があって、直進すればそのままマックラ滝へ、左折すれば猫の平へ向かいます。
左折した場合、猫の平でさらにマックラ滝へのコースと山の中腹を通って霧降滝へ行くコースに分かれます。
問題は、猫の平からマックラ滝へ向かうには、急勾配の下りを通らなければならないという危険があること。
ここまででだいぶ疲れが出ていますので、弾みで止まらなくなってしまうなんてこともあり得ます。
したがってここは安全を重視して、アスファルト道路をを直進してマックラ滝へ出るコースをお薦めします。
アスファルト道路をいつまでも歩くと鉄のゲートにぶつかり、ゲートを抜けるとすぐ右に川(霧降川)が見えます。霧降川に降りる道に入り河原に出ると、霧降川の向こう岸に注ぎ込んでいるもう1本の川があります。その川をたどればマックラ滝なのですが、当然ですが向こう岸に行くには霧降川を渡らなければなりません。
ところが、川を渡るための橋が、日によってあったりなかったりするのです。別にマジックではありません。
この橋は丸太を組み合わせ、川の両岸に置いただけのシンプルなもので、固定は片側をロープで結んでいるだけ。だから、川の増水によって移動してしまうことがしばしば。
実は、基礎工事を施したちゃんとした橋を掛けようとすると、建造物と見なされ、国立公園内ではそう簡単に許可が下りないそうです。
まあ、これも自然の摂理と考えて、橋がない日は諦めろということ。あるいは、勇気ある人は橋を使わずに川を渡り、橋を元通りにしてあげましょう。
マックラ滝の詳しいことはこちらをご覧いただくとして、最終目的地である霧降滝へのコースを説明します。
アスファルト道路に戻り、今度は鉄柵沿いに山に入る細いコースがありますので、そこを入って行きます。
しばらくはササ原の中を通りますが、道はやがて右手に見える霧降川と並行するようになります。大きな岩畳が玉簾(タマスダレ)の滝、河原へ降りる道があるので、時間があれば滝を間近に見るのも良いでしょう。
樹林帯の中をどんどん進むと、霧降川を渡る丸太の橋があります。轟々と流れる川を渡るのはちょっとしたスリルです。
橋の手前にほんの小さな河原がありますので、顔を洗って気持ちを新たにするのもいいですね。
ここからの眺めは十和田の奥入瀬を見るようで、とても素晴らしい景観です。
橋を渡って川の対岸を少し歩くと、コースは右に折れ、急な上り階段になります。
長い階段なので、途中で何度か休んで呼吸を整えましょう。
階段を上りきると右手に車道が見えますが、これは霧降有料道路。
ハイキングコースは有料道路から遠ざかり、終点のツツジヶ丘に向かいます。このコースの状態は最悪で、大雨によって土がえぐられ、まるで水路(実際には水は流れていませんが)のようです。
視界が開けたところがツツジヶ丘で、その名の通りツツジの名所として知られているところです。

牧場歩きの注意点
放牧されている牛たちが、ノンビリ草を食べるのを見ながらのハイキングですが、あちこちに牛たちの落とし物があるので、細心の注意をしながら歩きましょう。
古いものは黒く光って、小さな岩の様相を呈しているので、間違ってもこの上に腰かけたりしないように(笑)。

スタートはこの標識が目印。霧降高原ハウス入口に近くにあるこの標識を見ながら、南に広がるゆるやかな斜面を下って行きます。 以前、合柄橋にあった標注。
この標注が新しくなった際、「ツメタ沢」に替わってしまいました。
県営牧場に入ってすぐのところにある標識。
大山への方を指してはいますが、なにしろ広い牧場なので、この先どちらへ向かってよいのか分かりません。
これが大山山頂。
牧場の斜面をだらだら登ると到達しますが、達成感には欠けます。
ランチタイム。本日のメニューは「カルボナーラ」でした。コッフェルに具と水を入れ、火にかけるだけのお手軽メニューです。景色を見ながらの食事は最高。
山頂からの眺め。
写真は南西の方角ですが、このやや北側には赤薙山と女峰山が見えます。

山頂から猫の平に向かう途中には、こんなのどかな光景が見られます。
くれぐれも脅かしたりしないように。

マックラ滝を後にしてツツジが丘へ向かうと、しばらくの間、霧降川に沿って歩きます。鬱蒼とした原生林の中では自生の木イチゴがいっぱい。

丸太橋付近の霧降川。
手つかずの自然がそのまま残されています。
私はここを小奥入瀬と勝手に呼んでいます。
お役立ちデータ
●コース所要時間
高原ハウス→(30分)→合柄橋→(50分)→大山山頂→(10分)→車道→(30分)→マックラ滝→(10分)→玉簾の滝→(10分)→丸太橋→(30分)→ツツジケ丘(霧降滝)
所要時間:2時間50分

●休憩できる場所
高原ハウス、大山山頂、マックラ滝、玉簾の滝、丸太橋、ツツジケ丘

●駐車場
このコースはスタートとゴールが異なりますので、霧降滝の駐車場に車を置いて、「霧降滝入口」からバスで行かれることをお薦めします。帰りは霧降滝に戻るようなコース設定になっています。

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